5分間隔のデータ:削減した1 kWhをどう検証するか
DCKVは制御するすべてのファンを5分ごとに計測し、設置前に合意したベースラインと比較します。月々の削減量は、その計測値から算出します。
DCKVチーム
省エネ案件には信頼性の問題があります。削減量はモデルから引用され、そのモデルは整った条件を前提にしていて、1年後には誰も請求書の上で削減分を見つけられません。原因の一つはメーターです。建物の主メーターには厨房ファンも冷凍機もエレベーターもランドリーも混ざっていて、数kWの変化はノイズに埋もれてしまいます。DCKVはファンそのものを計測することで、この問題を避けています。
1. ベースラインに合意する
システムを稼働させる前に、既存のファンを通常の一定速度で計測します。一定速度のファンは予測しやすく、一定の回転数ならほぼ一定の電力を使うので、ベースラインは電力に運転時間を掛けたものになります。設置の前に、双方がこのベースラインを承認します。
2. インバーターで計測する
インバーターは、自分がどれだけの電力を出しているかを把握しています。各インバーターは、多くのインバーターが対応している産業用プロトコルModbusで、現場のゲートウェイにその値を報告します。ゲートウェイは5分ごとに各ファンの電力と回転数を記録し、不安定な回線向けに作られた軽量なメッセージングプロトコルMQTTで、クラウドに送ります。
5分という間隔は、営業のたびの立ち上がりと立ち下がりが見えるほど短く、データ量を扱いやすく保てるほど長い間隔です。1台のインバーターにつき1日288件、年間では10万5,000件を少し超えます。
3. 削減量を算出する
5分ごとの区間について、削減量はその区間のベースライン電力量から、インバーターが計測した電力量を引いたものです。
削減量 = ベースライン kW × 5分 − 実測 kWh
区間を合計すれば1日の削減量になり、さらに1か月分になります。
比較を公平に保つためのルールが二つあります。厨房が閉まっている区間はベースラインをゼロとするので、調理していない厨房で削減を計上することはありません。厨房に変化があったとき、たとえばシフトの追加、新しい店舗、営業時間の延長などの場合は、契約に定めた方法でベースラインを調整します。
これはIPMVP(国際パフォーマンス計測・検証プロトコル)のオプションBです。変更した機器を切り分け、直接計測します。
4. 報告する
月次レポートは、1か月分の5分間隔データを、いくつかの数字にまとめます。
| ベースラインのファン電力量 | 4,440 kWh |
|---|---|
| DCKV導入後の実測値 | 2,180 kWh |
| 削減電力量 | 2,260 kWh 51% |
| 電気代の削減額(18円/kWh) | 40,680円 |
| CO₂削減量(0.66 kg/kWh) | 1.49 t |
| 受信した区間数 | 8,640件中8,621件 |
最後の行は、削減量と同じくらい注意して見てください。データの欠損は起こります。ルーターが再起動したり、改装中に業者がゲートウェイの電源を抜いたりします。良いレポートは、その月の8,640区間のうち何件が届いたかを示し、欠損をどう扱ったかを明記します。
ファンのメーターでは捉えられないもの
直接計測しているのはファンの電力です。給気を減速させれば、冷却と除湿が必要な外気も減り、熱帯の気候ではこの削減が大きくなることがあります。これを正しく計測するには、空調設備側にも計測が必要です。空調機が計測されていない場合、冷房の削減分はレポート上で推定値として、実測したファンの削減分とは分けて示すべきです。
kWhからスコープ2へ
電力の削減は、購入電力による排出であるスコープ2排出量を減らします。削減量はkWhで計測されているので、CO₂への換算はその国の系統排出係数を一度掛けるだけです。監査人に求められれば、その数字の裏付けとして5分間隔のデータがあります。
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