需要制御型厨房換気とは? ホテルが切り替えている理由
ホテル厨房の排気ファンの多くは、朝の仕込みから最後の清掃まで、コンロの上で何を調理していても全速で回っています。需要制御は調理が落ち着いたときにファンを減速させ、電気代もそれに合わせて下がります。
DCKVチーム
午後3時のホテル厨房に入ってみてください。ランチ営業は終わり、ディナーの仕込みはまだ本格的に始まっていません。数人の調理師がステンレスの作業台で野菜を切り分けています。調理ラインの上では、すべてのバーナーに火が入っていた12時半とまったく同じ強さで、排気ファンが回り続けています。
業務用厨房の換気は、ほとんどがこの方式です。排気は一日で最も忙しい瞬間、つまり中華鍋とグリルがずらりと並んで稼働する状態に合わせて設計され、厨房が開いている間はずっとその風量で運転されます。需要制御型厨房換気(DCKV)は、その設計能力はそのままに、ファンをその時々の調理に必要な分だけ働かせます。
DCKVの仕組み
DCKVシステムは、厨房にすでにあるフードとファンに、センサー、コントローラー、インバーターを追加します。
フードを横切る光学センサーが煙と油煙を測り、温度センサーが排気の熱を測ります。この二つで、調理ラインが今どれだけ火を使っているかがわかります。タイマーや固定スケジュールでは、それはわかりません。
コントローラーはすべてのセンサーを常時読み取り、フードごとに必要な風量を割り出します。次に、排気ファンと給気ファンに付けたインバーター(VFD)が回転数を設定します。中華鍋に火が入れば、ファンは数秒で立ち上がります。ラインが静かになれば、試運転時に設定した最低回転数まで戻り、フードは常に一定の排気を保ちます。
給気ファンは排気に追従する必要があります。フードが引き出した空気は、同じ量だけ補わなければなりません。排気が減速しているのに給気が全速のままだと、厨房は正圧になり、熱や調理の匂いが廊下や客席に押し出されます。DCKVは両方のファンを同時に減速させ、このバランスを保ちます。
回転を落とすと、なぜこれほど節約できるのか
ファンの消費電力は、回転数に比例して直線的に下がるわけではありません。ファンの相似則によれば、ファンが使う電力は回転数のおよそ3乗に比例します。
ファンの相似則:消費電力は回転数の3乗に比例します。曲線に沿って動かすと値を読めます。
回転数80%なら、全速時のおよそ半分の電力です(0.8 × 0.8 × 0.8 = 0.51)。50%なら約8分の1です。一日の大半を中程度の回転で過ごすファンは、平均回転数から想像するよりはるかに少ない電力しか使いません。
実際の設備は3乗則に完全には従いません。ダクトの抵抗やモーターとインバーターの損失が回転数によって変わるからです。3乗則は削減量が大きい理由を説明するものです。計画には実測値を使ってください。
削減効果の実際
12件以上のDCKV導入実績から得られた代表的な成果は、次のとおりです。
- 調理に追従するインバーター制御により、排気ファンの電力を約50%削減
- 風量を絞れる運転条件で、排気風量を約42%削減
- フードから出ていく空調済みの空気が減ることで、換気に関わる空調電力を約40%削減
これらは複数現場の平均です。1日14時間フル稼働する厨房は、イベントの合間に長く待機する宴会厨房より削減量が少なくなります。だからこそ、どのプロジェクトも今あるファンの計測から始めます。システムを買い取る場合、投資回収は一般に1〜3年です。これらの数字の背景にある6つの厨房は、導入事例で紹介しています。
ホテルが切り替える理由
ホテルには、多くのゲストが想像する以上の厨房があります。大きなホテルなら、終日営業のレストランの厨房、専門レストラン、宴会厨房、ペストリー部門、従業員食堂があり、それぞれに営業時間とピークがあります。一定速度の換気は、そのすべてを同じように扱います。開店でオン、閉店でオフです。私たちの導入事例にあるあるホテルには5つの飲食エリアがあり、最大960人のイベントを担う宴会厨房も含まれます。
最もわかりやすいのは宴会厨房です。イベントの前後数時間は非常に激しく調理しますが、それ以外の長い時間は仕込み、清掃、待機に費やされ、ファンの仕事ははるかに少なくなります。
気候もこれに拍車をかけます。ベトナムをはじめ東南アジアでは、排気を補う空気は高温多湿の外気です。厨房に入る前に冷やしている場合、減らした排気1立方メートルは、冷却と除湿の費用を払わずに済む1立方メートルです。上で挙げた空調の削減は、ここから生まれます。
さらに報告の問題があります。ホテルグループは今、エネルギー使用量と排出量をオーナーやブランドに報告しており、実測した削減はモデルで算出した削減よりも説明しやすいものです。DCKVはファンの電力を5分ごとに記録するので、削減はデータに表れます。検証の方法は5分間隔のデータで解説しています。
シェフが最初に気づくのは、別のことかもしれません。ファンが減速すると、厨房が静かになるのです。一日の大半をゆっくり回るモーターは、摩耗もゆっくりです。
既存の厨房にも導入できますか?
ほとんどの厨房で可能です。DCKVはたいてい後付けです。フード、ダクト、ファンはそのまま残し、センサー、コントローラー、そしてインバーターのないファンにはインバーターを追加します。設置は営業時間に合わせて計画します。
まず調査でいくつかの点を確認します。既存のファンモーターが可変速運転に適しているか、インバーターとコントローラーをどこに取り付けられるか、給気がどのように厨房に入っているか、です。センサーが故障したときや、何らかの理由で全開の排気が必要なときは、バイパスでファンを全速に戻せます。
新築の場合は、設計段階がDCKVを組み込むのに最も安上がりなタイミングで、設計者は最初からファンと給気を可変風量に合わせて選定できます。多くの建築基準の背景にある省エネ基準ASHRAE 90.1は、大規模な厨房排気システムが基準を満たす方法の一つとして、すでに需要制御を挙げています。
どこから始めるか
厨房を一緒に歩くことからです。フード、ファン、インバーターを把握し、各厨房が一日をどう動いているかを記録し、ファンが今使っている電力を計測します。お届けする試算は、お客様自身のベースラインから出発します。
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